野中兼山─時代を見据え、変革に挑む─
2025/09/13 - 2025/12/07
野中兼山は、今から360年ほど前、江戸時代に活躍した人物です。当時、現在の高知県は、土佐藩と呼ばれていて、山内家が藩主として治めていました。野中兼山は、この山内家の家老で、土佐藩の奉行職という役職につき、藩の政治を指導した人物です。今回の企画展では、おおよそ時間の経過に沿って、野中兼山の生涯と事績をご紹介します。
ある研究者は、野中兼山のことを「時代に生き、時代をつくり、時代に殉じた偉大な政治家」と表現され、また別の研究者は「強い信念と、倦むことを知らない勤勉と、無比の創意をもって、土佐藩政に画期的な業績をあげた」人物と表現されました。
江戸時代の土佐藩の土台を築いたといわれる野中兼山、その生涯は果たしてどのようなものであったのでしょうか。改めてその生涯と事績、そして兼山が生きた時代を振り返ります。
開催期間 | 2025/09/13 - 2025/12/07 |
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観覧料 |
●800円(常設展含む/団体20名以上640円) ●高知城とのセット券1040円(常設展含む) ●高校生以下の方は無料(名札や学生証等ご掲示ください) ●高知県・高知市長寿手帳をお持ちの方は無料(長寿手帳をご掲示ください) ●身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳所持者と介護者1名は無料(各手帳をご掲示ください) |
展示の見どころ
◆野中兼山に関する著名な資料を一堂に会して開催する、野中兼山に関する初めての企画展。
実物資料約70点、写真紹介資料約20点、計約90点の資料から、野中兼山の生涯と事績をご紹介します。
◆明治以来の研究成果を踏まえ、最新かつ最良の野中兼山に関する入門的な展示。
野中兼山について、誕生から死去まで、全体像を分かりやすくご紹介。各種図表も充実した展示です。
◆地元関係者のご理解、ご協力のもと、野中兼山所用と伝わる法螺貝を特別に展示します。
また、有名な沖ノ島模型や、兼山の娘婉の遺品、兼山の迫力ある花押(サイン)の古文書などを、あわせて展示します。
◆学校教育や地域活動の現場で活用できる、充実した展示図録をご用意しています。
野中兼山に関する最新・最良の入門書になること間違いなし!ぜひご覧ください。*通信販売もしています。
展示構成
はじめに
野中兼山肖像(想像画)
明治時代、上村昌訓作画、西内青藍『偉人野中兼山』(1911年)より転載
現在の兼山イメージを作った想像画
1 兼山の誕生と野中家への養子入り
(1)兼山の誕生
(2)野中家への養子入り
山内忠義書状 野中直継宛
江戸時代、寛永7年(1630)、当館蔵
兼山の地域開発の先例となった養父直継の事績についてもご紹介
2 兼山の奉行職就任と藩政の展開
(1)兼山の奉行職就任
(2)土佐藩政の展開
(3)兼山と儒学
(4)兼山と本山
山内忠義肖像
江戸時代、当館蔵
兼山を信頼し、兼山の力を発揮させた土佐藩2代目藩主
山内忠義書状 野中兼山宛
江戸時代、寛永19年(1642)、当館蔵
藩主忠義と兼山の間では、様々な情報が共有されていました
本山土居構之絵図 高知県指定文化財
江戸時代、安芸市立歴史民俗資料館蔵
兼山が政治と学問に意を尽くした本山の姿
3 兼山による郷士の登用
(1)兼山と郷士
(2)主な郷士とその活動
郷士録
江戸時代、天保15年(1844)写、高知県立図書館蔵
土佐藩の初期郷士を知るための基本史料
野中兼山裏書 野村甚兵衛宛
江戸時代、万治元年(1658)、高知県立歴史民俗資料館蔵
兼山の腹心の一人、野村甚兵衛に宛てられた地域開発の許可証
4 藩政の充実と革新
(1)堰・用水路の築造と新田開発
(2)御免町と新川町~在郷町の形成~
(3)港湾開発と河川改修
(4)産業の振興
法螺貝 伝野中兼山所用
香美市土佐山田町中野地区蔵
必見!地元以外では初公開
物部川絵図 高知県指定文化財
江戸時代、寛政元年(1789)、安芸市立歴史民俗資料館蔵
物部川両岸、一面に広がる水の恵み
弘岡井筋・新川絵図
江戸時代、高知市立市民図書館(平尾文庫)蔵
現在の高知市春野地区を潤す弘岡井筋の流れと、仁淀川流域と高知城下を結ぶ新川川
野中兼山書状 高嶋正隆宛
江戸時代、慶安3年(1650)、高知県立歴史民俗資料館蔵
兼山みずから手結港開発の目的と経緯を記す貴重な古文書
松平勝隆・神尾元勝連署披露状 野中兼山宛
江戸時代、万治2年(1659)、当館蔵
兼山に宛てられた津呂港開発の幕府からの許可状
尾戸焼 茶入
江戸時代、17世紀、当館蔵
尾戸焼の祖、久野正伯作と伝わる茶入
5 外交と専制の時代
(1)兼山の幕藩外交
(2)沖ノ島・篠山国境争論
(3)権力の絶頂と将来への不安
(4)兼山と配下の者たちの苛政
沖ノ島島形模型
江戸時代、明暦2年(1656)11月以前制作ヵ、高知県立歴史民俗資料館蔵
日本最古の木製立体模型の一つ
沖ノ島絵図 高知県指定文化財
江戸時代、寛政6年(1794)写、安芸市立歴史民俗資料館蔵
兼山が江戸で猛烈な政治工作を展開した沖ノ島争論の関係絵図
野中兼山定書 野村甚兵衛宛
江戸時代、寛文3年(1663)、高知県立歴史民俗資料館蔵
兼山の権力絶頂期の迫力ある花押(サイン)、ぜひ展示室で実物をご覧ください
上灘草臥申覚
江戸時代、寛文3年(1663)、高知市立市民図書館寄託、加賀野井家資料
兼山政治末期の安芸郡浦々の悲惨な状況を記す有名な史料
これまで写で知られていた史料の原本を確認、初展示!
6 兼山への弾劾と藩政改革
(1)兼山失脚
(2)寛文の藩政改革
(3)兼山への追罰と野中家の改易
(4)宿毛幽閉
野中兼山弾劾状(土佐藩三家老連署披露状) 生駒正重・孕石元政宛
江戸時代、寛文3年(1663)、当館蔵
兼山失脚の狼煙となった弾劾状
野中婉遺品 手鏡・懐中鏡・硯・水壺(油壺)
江戸時代、高知市立市民図書館蔵
大原富枝氏の『婉という女』で有名な婉の遺品
その後の兼山 ~兼山の復権と神格化~
関連行事
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展示関連企画
展示解説
企画展の内容や主な展示資料について担当学芸員が紹介します。
開催日時 9月21日(日) 11時~12時 場所 3階展示室 -
展示関連企画
企画展ゆかりの地 講座「室戸地域と野中兼山」
津呂港(室戸岬港)と室津港の開発を中心に、室戸市域に関係する野中兼山の事績についてご紹介します。
開催日時 日時:令和7年9月28日(日) 10時~11時 場所 室戸市保健福祉センターやすらぎ(室戸市領塚87) -
展示関連企画
子ども向け 紙芝居「山田堰と野中兼山」&兼山ミニ講座
小学生を対象に、野中兼山の事績を紙芝居でご紹介します。紙芝居は山田堰井筋土地改良区のみなさんが披露してくださいます。
開催日時 日時:令和7年10月12日(日) 14時~15時 場所 当館1階ホール -
展示関連企画
小説朗読会 大原富枝「婉という女」・「正妻」
大原富枝さんの代表作の朗読会です。朗読は朗読サークル『潮騒』のみなさんです。二つの作品を朗読します。それぞれ朗読の前に、企画展担当学芸員より簡単な紹介があります。
開催日時 日時:令和7年10月19日(日) 14時~15時40分 場所 当館1階ホール -
展示関連企画
展示解説
企画展の内容や主な展示資料について担当学芸員が紹介します。
開催日時 10月26日(日) 11時~12時 場所 3階展示室 -
展示関連企画
展示解説
企画展の内容や主な展示資料について担当学芸員が紹介します。
開催日時 11月16日(日) 11時~12時 場所 3階展示室 -
展示関連企画
城下町散策会「兼山時代の城下町を歩く」
高知城下町の散策会では、幕末維新期をテーマにした散策会が多いですが、今回の散策会は、江戸時代前期、野中兼山が活躍していた頃を意識した散策会です。
開催日時 日時:令和7年11月30日(日) 14時~16時 場所 集合場所:高知城追手門前 -
展示関連企画
学校の先生向け 講座と展示解説
学校の教員ならびに教員希望の学生を対象とした講座と展示見学会です。
テーマ:「野中兼山と地域社会 ~学校での紹介を意識して~」開催日時 日時:令和7年9月20日(土) 13時30分~16時 場所 当館1階ホール