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小特集展示「寄贈記念特集 城郭浮世絵―松﨑郷輔コレクションの世界」

終了

2019/01/11 - 2019/02/03

当館では、平成30年11月に公益財団法人日本城郭協会元理事長で高知市在住の松﨑郷輔氏より、高知城歴史博物館へ浮世絵コレクション70件の資料を寄贈いただきました。
本特集では、これを記念し、寄贈資料の中から城郭関係の浮世絵を中心に20点をご紹介します。
開催期間 2019/01/11 - 2019/02/03
休館日 会期中無休
観覧料 企画展開催期間につき
■観覧料 700円(団体20名以上560円)
■高知城とのセット券 890円
※高校生以下は無料
※高知県・高知市長寿手帳所持者は無料
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳所持者と介護者(1名)は無料
●観覧券は当日のみ有効です。(年間観覧券は除く)

展示の見どころ

松﨑郷輔氏は公益財団法人日本城郭協会の理事長をつとめた経歴を持つ城郭研究家であり、収集資料からも氏の城への深い関心がうかがえます。浮世絵のひとつひとつを見ても、絵画として、あるいは物語の一場面として見る本来の楽しみ方に留まらず、幕末・明治の絵師が描く城の姿、戦場のありかたなどを読み解く歴史資料としての魅力と可能性を秘めたものばかりです。
本特集を通じ、氏の追求した「浮世絵に描かれた城と戦」を読み解く道のりと、尽きることのない歴史探究の楽しみを皆様と分かち合う機会となれば幸いです。

主な展示資料

 

真柴久吉公播刕姫路城郭築之図(ましばひさよしこう ばんしゅうひめじじょうかくきずくのず)
歌川貞秀 文久2年(1862)

完成間近の姫路城(ひめじじょう)天守の工事現場を描いた錦絵。
天正8年(1580)、羽柴秀吉(はしばひでよし=豊臣秀吉)が中国毛利氏攻めの足がかりとして普請を進める場面を題材としたもの。秀吉の時代に建てられた天守は三重であったと伝わるが、本図では出版当時の姫路城大天守の姿を反映し、五重の天守に描かれている。

 

毛利嶋山官軍大勝利之図 (もうりしまやま かんぐんだいしょうりのず)
照皇斎国広 慶応4年(1868)頃

鳥羽(とば)・伏見(ふしみ)戦争に勝った「官軍」(新政府軍)を描く錦絵。
「毛理」は毛利(長州)、「嶋」は島津(薩摩)、「山」は山内(土佐)。土佐藩の家紋、丸三柏紋((まるにみつがしわもん)の旗を画面右と中央奥に見ることができる。
大砲や銃剣を用いた洋式軍隊による戦闘場面が描かれている。

西国名所之内九 姫路書写山(さいごくめいしょのうちきゅう ひめじしょしゃざん)
橋本貞秀 慶応元年(1865)7月

西国名所シリーズの内、姫路の風景。題名の書写山を遠景に、五重の姫路城大天守が大きく描かれる。江戸幕府は出版統制により徳川家や同時代の事件を題材にすることを禁じたため、このように天守を大きく描いた錦絵は珍しい。しかし実際の天守様式は層搭(そうとう)型ではなく望楼(ぼうろう)型。外観は一致しないが、「白鷺城」とも称される外観に描かれ、当時のイメージをうかがうことができる。